美ら島沖縄県の特産品“ボゴールパイン”のご紹介

JAおきなわについて

沖縄県は、県単一JA(県単一農協)といい、県全体をJAおきなわが管轄しています。JAおきなわでは、県内を5地区に区分し、JAおきなわが農畜産物の生産振興や販売にあたっています。
南国特有の気候を利用した農業が盛んで、艶やかな南国の花や観葉植物、国内では貴重な熱帯フルーツ、オクラやピーマン、 豆類をはじめ、島らっきょうなど独特な野菜が特産品です。
畜産では、ブランド豚である“あぐー®”や“おきなわ和牛®”、“石垣牛®︎”が有名です。

沖縄県産パイナップル〜ボゴールパイン〜

日本国内では、沖縄県だけがパイナップルを商業的に産地化できています。といっても、沖縄であればどこでも栽培できるわ けではありません。その理由は、パイナップルは、赤土の酸性土壌でしか栽培できないからです。そのため、沖縄県内でも国 頭(くにがみ)マージと呼ばれる赤土土壌が分布する八重山(石垣島)と本島の北部地区がパイナップルの産地となっていま す。
沖縄県産のパイナップルで最もよく知られているのが、ボゴールという品種です。今回は、このボゴールパインとその産地に ついてご紹介します。
ボゴールは日本生まれの品種ではなく、台湾原産のパイナップルで、スムースカイエンという品種とシンガポールという品種 を掛け合わせてつくられた品種だそうです。国産パインの中では生産量が最も多く、葉の部分がギザギザしており、小果とい うところをちぎって食べることができるのが特徴です。JAおきなわはポコットパイン®の愛称で販売しています。ボゴール パインは酸味が穏やかで甘みが強く、ジューシーな味わいで、芯まで食べられます。ぜひ芯もお召し上がりいただき、シャキ シャキの食感をお楽しみいただきたいです。

ボゴールパインはどう育つ??

ボゴールパインは、3年サイクルで栽培しており、3年間で2回収穫できます。
まず、苗を植えた翌年に1回目の収穫をすることができます。収穫が終わると、吸芽(きゅうが)と呼ばれる芽が生長し、ここに翌年実をつけます。それとは別に、えい芽という脇芽が出てくるのですが、これが畑を更新する際の、新たな苗となります。おおまかな流れは、表の通りです。

ボゴールパインの各部位説明

ボゴールパイン栽培暦

8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
1年目 定植
2年目 花芽
誘導
収穫
3年目 花芽
誘導
収穫 圃場
整理

※3年目の収穫後、同じ圃場にすぐにパイナップルを植える方ばかりではありません。1年間別の作物を栽培したり、何も栽培せずに畑を休ませたりする方もいらっしゃいます。

ボゴールパインは、写真のように実が育ってくると防鳥ネットをかけて育てることが多いそうです。カラスが実をつついてダメにしてしまうからです。ちなみに、八重山では、野生化したクジャクが植えたばかりのパイナップルの畑を荒らしてしまうこともあるそうです。

それでは、花芽誘導処理後から、実ができるまでの流れを写真で見ていきましょう。
※複数の圃場で、それぞれの生育ステージに応じて写真を撮影したものです。定点観測ではありませんが、ご容赦ください。

ボゴールパインの生育過程

ボゴールパインを栽培する上で大切なのが、10月に行うエスレル処理と呼ばれる花芽誘導処理です。この作業をしないと、しっかりと実がつきませんし、作業が遅れればその分収穫時期も遅れてしまうことになるそうです。
※花芽誘導処理はボゴールに限らず、全てのパイナップル栽培に必要な作業だそうです。
また、近年は異常気象により、冬場の曇天や低温が問題となっています。その影響により、冠芽がなくなる規格外品が多く発生することもあれば、実が大きく育たない小玉化による不作も起こりやすくなっているそうです。

取材中に聞いて驚いたのが、パイナップルは追熟しない果物、というお話でした。時間の経過とともに酸味が抜けて食べやすくなることはありますが、パイナップルの風味は徐々に落ちていってしまうそうです。沖縄のパイナップルは熟したものを収穫しているため、お手元にパイナップルが届いたら、できるだけ早めにお召し上がりください!

編集後記

沖縄県といえば、観光地というイメージを持たれるが方が多いと思います。南国の美しい海や、琉球王国時代の歴史や独自の文化、観光客を暖かく受け入れてくれる人々の優しさにより、沖縄県は魅力的な観光地として人気を集めています。
私もその一人でした。しかし、沖縄県の農産物に関わって思い知らされるのが、リゾート的な華やかな沖縄県ではなく、沖縄県ならではの苦悩です。
沖縄県は、温暖な気候を利用した農業が盛んですが、気温が高いというメリットがある分、デメリットも多いのです。
生産面で言えば、温暖で生物多様性が豊富であることは、本州にはない病害虫による被害があることを意味します。夏は暑すぎて作物が育たないこともあれば、台風が来て農作物が甚大な被害を受けることも多々あります。近年は気候変動の影響か、以前よりも強力な台風が多くなったり、冬の冷え込みに悩まされたりということも多くなってきました。
販売の面でも苦労は絶えません。輸送も航空便や船舶輸送のため、天候により物流が乱れることも多く、販売面でもハンディキャップを背負っています。
それでもやはり南国ならではの農産物は、本当に魅力的です。パイナップルやマンゴーはもちろん、希少な熱帯果実、バリエーション豊かな野菜を今後もお客様にご提供していきたいと考えていますので、JAおきなわの農産物を、どうぞよろしくお願いします!

 *この記事は、2023年3月9日の取材に基づき作成しました。

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