伊豆の国いちご・ニューファーマーインタビュー

 

はじめに

日本の農業は、生産者の高齢化と後継者不足により、生産基盤が年々縮小しています。
そんな中で、JAふじ伊豆の伊豆の国地区では、行政と連携し、ニューファーマーと呼ばれる非農家出身の新規就農者受け入れを積極的に行っています。ニューファーマーの方々が活躍されることで産地の若返りが進み、全国に誇る育成先進地として注目されています。
今回は、JAふじ伊豆の伊豆の国地区のニューファーマーで、紅ほっぺを栽培している日比野一高さんと、きらぴ香を栽培している森洋二郎さんにお話を伺いました。取材時には、JA職員の金井さんにご案内いただきました。ニューファーマーのお二人や金井さんにお話を伺って感じた伊豆の国いちごの魅力についてもご紹介しています。

 


目次

⚫︎紅ほっぺニューファーマー 日比野さん

⚫︎きらぴ香ニューファーマー 森さん

⚫︎インタビューから分かった伊豆の国いちごの魅力

⚫︎伊豆の国いちごまつり


 

紅ほっぺニューファーマー 日比野さん

日比野さんは、27年間サラリーマンをしていましたが、脱サラをして就農しました。堀井さんという管内でも有名ないちご生産者の方に研修を受け入れていただき、いちご栽培のノウハウを教わったそうです。
現在は、就農12年の11作目で、2反5畝(約25a)のハウスで紅ほっぺを栽培しています。

 

「紅ほっぺ」の説明をしてくださる日比野さん

 

「実がならなくて暇をしてしまうより、収穫に追われている方が自分の性格的に合ってます」と、笑顔でおっしゃられる日比野さん。紅ほっぺは、1つの芽から大体20個くらい花が咲くのですが、8〜10個くらいまで減らさないと実が大きくなりません。そのため、収穫しながら摘果作業も行うそうです。

日々、忙しく農作業をされる日比野さんですが、水稲栽培をしていないため、6月半ばまで紅ほっぺを収穫し続けます。といっても、4月からハウス内は非常に高温になるそうです。
「遮光カーテンをしてもとても暑いので、本当に体力勝負ですよ」と、いちご栽培の大変さを教えてくださいました。

 

紅ほっぺについては、以下の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

きらぴ香ニューファーマー 森さん

森さんはJAでいちごの栽培指導員としてご尽力され、経験を積んだ後に就農したニューファーマーです。8畝(約8a)と1反2畝(約12a)、合計で2反(約20a)のハウスできらぴ香を栽培しています。

 

とても研究熱心な「きらぴ香」生産者の森さん

 

森さんはハウス内に環境制御装置を導入し、ハウス内の温度や湿度、炭酸ガス濃度や日射量などのデータを取っており、記録データをいちご栽培に活用しているそうです。
取材したハウスでも「未分化定植*」という栽培方法に取り組み、紅ほっぺではなく「栽培技術が確立されていないきらぴ香の方が、やり甲斐がある」という森さんは、JAの金井さんからも「本当に研究熱心」とお墨付きです。

また、きらぴ香は、紅ほっぺより果数が少ないのですが、連続して花が咲くため、安定して出荷できるそうです。
「家族経営ではないため、出荷の山谷が少ないきらぴ香の方が、合っている」と、冷静な経営者の顔も見せてくださいました。

森さんのハウスでは、隣の田んぼで水稲が始まる5月末ごろまで、きらぴ香の収穫が続きます。

 

きらぴ香については、以下の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

*未分化定植
いちごは収穫するハウス(本圃)とは別の場所で苗をつくり、花芽が分化したことを確認してから植えるのが一般的です。
未分化定植では、花芽が分化する前に親株を直接本圃へ定植し、本圃で株を増殖させます。
花芽を分化させるため、通常はいちごの苗を冷やしますが、未分化定植の場合は秋から窒素肥料分を減らし、花芽分化を誘導します。
未分化定植は苗づくりの省力化を図るとともに、炭そ病という病気の発生を抑制することができます。
紅ほっぺには不向きな栽培方法ですが、近年きらぴ香で導入が増えているそうです。

 

インタビューから分かった伊豆の国いちごの魅力

JA職員の金井さんにお話を伺ったところ、伊豆の国では、JAの指導会だけではなく、生産者が独自に勉強会を開催し、互いの栽培技術を共有し、いちごの品質向上に努めているそうです。

伊豆の国地区は、台風や豪雨の被害を受けやすいため、JAが他産地に苗づくりを委託し、リスク分散にも取り組んでいます。
有事の際にも、JAが生産者を積極的に支援するだけでなく、生産者同士の相互支援も盛んで、“助け合い産地”とも呼ばれます。
このように、伊豆の国は、生産者と行政、JAが一丸となり、地域のいちご産業を守ろうという結束力が強い地域と言えます。

伊豆の国いちごの美味しさの背景には、伊豆の国地区の人々のいちごを大切にする思いがありました。

 

JAふじ伊豆の金井さんと当社静岡担当バイヤー小田

 

伊豆の国いちごまつり

伊豆の国いちごまつり

 

伊豆の国いちごまつりは、例年1月に開催されます。
いちごまつりでは、ステージイベントなどの楽しい催しだけではなく、伊豆地区いちご品評会に出品されたいちごの販売も行われます。
伊豆地区いちご品評会には、例年全農食品も参加させていただいております。

 

伊豆地区いちご品評会と全国農協食品株式会社社長賞を受賞した紅ほっぺ

 

ぜひ伊豆の国いちごまつりに遊びに行ってみてください!

 

※この記事は、2024年1月20日の取材に基づき作成しました。

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