宮崎県の完熟きんかん「たまたま」

 

はじめに

宮崎県は、温暖な気候を活用して、ピーマンやきゅうりといった野菜はもちろん、さまざまな果物を栽培している青果物の一大産地です。
その中でも、きんかんは生産量が日本一で、その生産量は2,560t(全国シェア約7割)*を誇ります。
そんな宮崎県認証ブランドのきんかんが、完熟きんかん「たまたま」です。
「たまたま」よりもすぐれたブランドとして、「たまたまExcellent」(以下、「エクセレント」)もあり、全国各地へと出荷されています。
今回は、宮崎県の完熟きんかん「たまたま」がどんなきんかんなのか、そして、その美味しさの秘密についてお話を伺ってきました。
*出典:令和3年特産果樹生産出荷実績調査
*「たまたま」は、JA宮崎経済連の登録商標です。

 


目次

⚫︎完熟きんかん「たまたま」とは?

⚫︎きんかん生産者インタビュー

⚫︎完熟きんかん「たまたま」の新たな取り組み

⚫︎全国のお客様へのメッセージ


 

完熟きんかん「たまたま」とは?

完熟きんかん「たまたま」は、「そのまま・皮ごと・丸かじり」が合言葉のみやざきブランド認定品目です。
例年1月中旬から出荷が解禁となり、解禁日には市場で「きんかんヌーボー」と呼ばれるイベントが開催され、大いに盛り上がります。
そんな「たまたま」ブランドですが、名前がつけられたのは1987年にまでさかのぼります。
その後、2000年に完熟きんかんの総称を「まるかじり」というブランドで販売するようになりました。当時は「エクセレント」のブランドはなく、それに相当するブランドが「たまたま」でした。
しばらく「まるかじり」・「たまたま」の名称での販売が続きましたが、2009年に「たまたま」・「エクセレント」への名称変更が決定し、2010年1月から出荷・販売が始まり、現在に至ります。

ハウス栽培の完熟きんかん「たまたま」と、その上位最上級ブランドの「エクセレント」ですが、これらはすべて、樹上で完熟させた、食味と外観に優れたきんかんです。
具体的な基準として、以下の3点を満たす必要があります。

1.ハウス栽培で、開花から210日以上、樹上で完熟させたきんかんであること
2.生のまま皮ごと食べられること
3.直径2.8cm以上(Lサイズ)・糖度16度以上
 ※「エクセレント」は直径3.2cm以上(2Lサイズ)・糖度18度以上

 

きんかん出荷基準

こうした厳しい基準をクリアした「たまたま」や「エクセレント」は、全国に誇る宮崎県の特産品の一つとなっています。

 

きんかん生産者インタビュー

きんかん生産者で、JA宮崎中央きんかん部会の会長である河野利泰さんにお話を伺いました。

 

きんかん部会 会長 河野利泰さん

 

河野さんは、JA職員としてご尽力され、13年前から1反3畝(約13a)と8畝(約8a)のハウスで完熟きんかんを栽培してます。
「きんかんは、他のかんきつ類とくらべると安定して生産できますが、実を止めるのが大変です」とおっしゃる河野さん。

 

「実を止める」ということについて、詳しく伺いました。
「きんかんは四季咲きのかんきつで、実がつくまで何度も花が咲きます。」
きんかんの花が咲くのは梅雨時期の6月から。花が咲いても、湿度が高いと花粉が膨張して破裂してしまいますし、雨が降らなくても、気温が高くなればつぼみが早く成長してしまい、花粉そのものの量が少なくなってしまいます。
そのため、「しっかりと受粉させ、早い段階の花で着果させることが、その後の栽培管理をするうえでも重要」なのだそうです。
そのために、花の前の芽の段階で時期を揃えるために加温し、花の時期にも再度加温するよう、工夫されていました。

 

きんかんの花が咲いた様子

 

美味しい食べ方について伺ったところ、「たまたまは、やはり生で丸かじりするのが一番です。」とのこと。
河野さんは、美味しいきんかんを収穫するため、11月から水を切り、12月からハウス内の温度を下げていきます。
水を切ることで酸を抜き、寒さに当てることで糖度を高める狙いがあります。
「水と温度を調整することで、きんかんの品質を上げて、『たまたま』に合格させるよう工夫をしています。」とのことでした。

 

『たまたま』は、出荷数量は今から徐々に減っていくそうですが、例年通り、3月下旬ごろまで出荷が続くそうです。

 

完熟きんかん「たまたま」の新たな取り組み

園地(ハウス)の継承

全国的に、生産者の高齢化や後継者不足が問題となっていますが、きんかんも例外ではありません。
そこで、JA宮崎中央では、離農する生産者から新規就農する生産者へ、ハウスを継承する取り組みを行っています。
新規就農者は就農した初年度から収入を得ることができ、産地の生産基盤の縮小に歯止めをかけられるため、素晴らしい取り組みだと感じました。

 

栄養機能食品

平成31年1月15日から、「栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンE)」としての販売も始まりました。
きんかんは健康に良いイメージを持っていただくことが多いかんきつですが、栄養機能を表示することで、より分かりやすく消費者の方へPRできるようになりました。

 

栄養機能食品とは、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、定められた基準に従って栄養成分の機能を表示しています。(詳しくは、消費者庁HP*をご覧ください。)

 

・ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。

 

・ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。

 

*詳しくは、こちらから ⇒ 消費者庁「栄養機能食品について」

 

学校給食を通じた食育

10年ほど前から、市内の小学校できんかんの説明をして、給食で振る舞っています。今年も実施し、子ども達と一緒に給食を食べて、交流したそうです。
子どもたちに、小さい頃からきんかんを食べることで、慣れ親しんでほしいという思いで取り組んでいます。

 

全国のお客様へのメッセージ

宮崎県は、きんかんの生産量日本一です。きんかん「たまたま」はてげうめっちゃが、食うてみてくんない!

 

※この記事は、2024年2月16日の取材と資料調査に基づいて作成しました。

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